新たに始まるNISA制度で株主優待の獲得は、投資家にとって魅力的です。しかし、新NISA制度で株主優待を獲得するためには、いくつかの条件があります。
この記事では新NISAで個別株を購入して株主優待を獲得するための方法についてや、株主優待株に投資をするメリットとデメリットについて解説します。また株主優待株を選ぶときのポイントについてや、初心者におすすめの株主優待株5選もご紹介。
この記事を読めば新NISAを最大限活用しながら、個別株への楽しみや税制優遇を受けながら株主優待の恩恵を享受することができるようになりますので、最後までご覧下さい。
新NISAの基本と株主優待の仕組み
新NISAで株主優待を獲得するためには、どのよにすればよいのでしょか?
そこで、新NISAを利用して株主優待をもらうための条件やその魅力についてご紹介します。
新NISAで株主優待を獲得する条件とは?
新NISAで株主優待を獲得することはできるのでしょうか?
新NISAで株主優待を受け取るためには、次の条件を満たす必要があります。
- 新NISAの成長投資枠を選ぶ
- 株主優待を提供する企業の株式を権利確定日までに保有する
まず新NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類があり、個別株に投資をするためには成長投資枠を選ぶ必要があります。
また、株主優待を提供する企業の株式を権利確定日までに保有している必要があります。例えばある企業の権利確定日が12月1日だった場合、その日までに株式を保有していなければ優待を受け取ることはできません。
重要なのことは、これらの条件を満たした上で株式を適切な時期に購入する必要があります。
つみたて投資枠では株主優待をもらうことができない?
つみたて投資枠の投資対象商品は、長期の積立投資や分散投資に適した投資信託などに限られています。そのため、つみたて投資枠では個別株を購入することができず、株主優待を受け取ることはできません。
つみたて投資枠は、長期的な資産形成を目的としています。個別株の投資はリスクが高いため、投資対象商品を限定しているのです。
新NISAを活用した株主優待株の魅力について
新NISAは、個人投資家が少額から株式投資を始められるように設計された税制優遇制度です。
初心者でも非課税で投資を行うことができ、さらに株主優待という追加のメリットを享受することもできるようになっています。
新NISAを上手に活用することで長期的な資産形成と同時に、企業からの株主優待という形で直接的な恩恵を受けることができるようになっています。
新NISAで株主優待株投資のメリットとデメリット
株主優待株の投資には個別株投資を楽しんだり、モチベーションの維持につながるというメリットがあります。
しかしその一方で、株価変動のリスクや優待廃止のリスクのデメリットも存在します。
それぞれのメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。
株主優待株に投資するメリット
株主優待株に投資をするメリットは、次の通りです。
- 個別株投資の楽しみが増える
- 個別株保有のモチベーション維持につながる
- 配当金より株主優待の方がお得になる場合がある
それぞれについて、順番にご紹介します。
個別株投資の楽しみが増える
株式を保有することは、その会社のオーナーになるということです。個別株に投資をすれば企業の成長に伴い、株価は上昇。それによって配当金が増加したり、株主優待のグレードアップを楽しむことができます。
また株主優待によって送られた商品やサービスを利用することで、その企業に対してさらに愛着がわいてくることも投資の醍醐味といえます。
個別株保有のモチベーション維持につながる
株価は一直線に値上がりすることはなく、ときには値下がりをこともあります。
株価が下がればつい損切をしたくなりますが、株主優待株に投資をすることでモチベーションの維持につながります。
実際に多くの個人投資家は毎年送られてくる株主優待を楽しみにしているので、株価を気にすることなく個別株を保有し続けることができるのです。
配当金より株主優待の方がお得になる場合がある
配当金が少ない企業でも、株主優待には力を入れている場合があります。そのような企業に投資をすれば実質的なリターンが高くなりますので、賢く選べば大きなメリットを享受することができます。
また配当金には税金がかかることがありますが、株主優待には例外を除けば税金はかかりません。その点も株主優待の魅力的なポイントです。
株主優待株に投資するデメリット
株主優待株に投資をするデメリットは、次の通りです。
- 株価変動のリスクがある
- 優廃止のリスクがある待
それぞれについて、順番にご紹介します。
株価変動のリスクがある
個別株に投資をした場合、市場の変動による価格のリスクを伴うことがあります。
もし株価の下落が続いたとき、株主優待の価値を上回る損失が発生することがあります。
優待廃止のリスクがある
企業が提供する株主優待は、利益と内部留保が原資となっています。
もし経済状況の変化などで業績が悪化した場合、企業の体力はなくなっていきます。そうなってしまうと、株主優待を廃止する恐れがあります。
株主優待を狙った新NISAの注意点とリスク
新NISAの成長投資枠を利用して株主優待を狙うとき、年間の上限額に注意する必要があります。
また、投資した個別株が塩漬け銘柄になるリスクもありますので、それぞれの注意点について解説します。
成長投資枠で購入できる金額は年間240万円まで
新NISAの成長投資枠を利用したとき、購入できる金額は年間240万円。非課税保有限度額は1200万円までとなっています。
この金額を超える投資は非課税の対象外となりますので、計画的に投資を行いましょう。
塩漬け銘柄になる恐れもある
株主優待を狙って個別株に投資をしたとき、株価の値下がりが続いて期待外れのパフォーマンスにあることもあります。その結果、塩漬け銘柄(長期間売却できない株)となってしまうリスクがあります。
塩漬け銘柄にならないためにも事前に企業の決算書をチェックしたり、売り上げは順調に伸びているのかチェックをしましょう。
株主優待株の選び方と投資方法について
株主優待株を選ぶとき、優待の内容などを細かくチェックする必要があります。
特に長期投資で企業を選ぶ場合、財務の健全性や優待の内容を詳細に確認することが重要になります。
ここでは株主優待株の選び方や投資方法のコツなどについて、ご紹介します。
株主優待株選びの注目ポイント
株主優待株を選ぶ際には、優待の内容や頻度、そして提供条件を細かくチェックする必要があります。
多くの企業では保有する株式数に応じて、優待内容がグレードアップしていきます。しっかりチェックしましょう。
株主優待株投資の大事なポイント
株主優待株の投資を行う上で最も重要なことは、株価の安定性と優待内容の魅力のバランスを考慮することです。
株主優待の詳細をしっかりと理解し、利用価値を最大限に高めるための戦略を立てるようにしましょう。
株主優待株の選び方のコツは?
株主優待株の選び方には、いくつかのコツがあります。
利回り重視で企業を選ぶ場合は、配当金と株主優待の合計リターンで評価します。
大企業のような知名度の高い企業を選ぶ場合、ブランド価値によって安定したリターンが見込めることが魅力となります。
株主優待の内容が自分のライフスタイルに合っているかどうかについても、企業選びの重要なポイントとなります。
長期投資で銘柄を選ぶ際のチェックポイント
企業に長期投資を行うとき、企業の財務状況、業績、成長性などをチェックする必要があります。
大企業は中小企業に比べて財務体質や業績が安定していますので、初心者の方は株主優待を提供する大企業への投資がおすすめです。
新NISAで買えるおすすめの株主優待株5選
上場企業で株主優待を実施している企業は、2,373社になります。
株主優待には食品や日用品、サービスなどさまざまな種類が存在し、お得に利用できるものが数多く含まれています。
その中で初心者におすすめの株主優待株は、
- イオンモール(8905)
- アイ・ケイ・ケイホールディングス(2198)
- 日本電信電話(9432)
- キリンホールディングス(2503)
- 日本和装ホールディングス(2499)
の5つになります。それぞれの魅力について順番にご紹介します!
イオンモール(8905)
イオンモールから株主優待が届きました✨
— TK@株主優待ライフ (@snowbird_007) July 14, 2023
100株保有で3,000円相当のイオンギフトカードがもらえます😄
イオンモール内のユニクロで使えたという情報と、使えなかったという情報の両方を目にしたので、今度試してみたいと思います😆 pic.twitter.com/R6caKynco3
イオンモール(8905)は大手ショッピングモールを運営し、株主優待には利便性の高いものが用意されています。
株式を100株以上保有すれば年に2回、全国約2,000店舗で利用できる3000円分の「イオンモールギフトカード」が提供されます。
このカードは食品、日用品、家電など多岐にわたる商品やサービスに利用することが可能となっています。
アイ・ケイ・ケイホールディングス(2198)
#アイ・ケイ・ケイホールディングス から #株主優待 の #バームクーヘンなどお菓子 が届きました。
— ようてん (@PWbkDNLmNM637cu) July 1, 2023
思いのほか沢山入っていてびっくりしました。
レストランご優待券など、カード系は使う機会はなさそうです。
機会があれば?利用したいと思います。 pic.twitter.com/QARzorw18e
アイ・ケイ・ケイホールディングス(2198)は、外食チェーンとフランチャイズを展開する企業です。
株式を100株以上保有すれば年に2回、ガストやジョナサン、バーミヤンなど人気チェーン店で利用できる2000円分のお食事券を受け取ることができます。
これらの人気店で使用することができるため、使いが手の良さが魅力的といえます。
日本電信電話(9432)
一瞬【NTTドコモ】の株主優待と感じましたが、【NTT・日本電信電話】の方でした。#株主優待#株主優待生活 pic.twitter.com/J7f4P6l3fa
— 株主優待情報byTAKUMI (@TAKUMI_KABU) December 6, 2019
日本電信電話(9432)は国内最大の通信事業社で、NTTドコモなどを運営しています。
株式を100株以上保有すれば年に2回、全国約10,000店舗で使用できる1500円分の「dポイントの贈呈」を受け取ることができます。
NTTグループ優待券はNTTドコモショップや金融機関、インターネットサービスなど多くの店舗で利用することができます。
キリンホールディングス(2503)
先日、キリンホールディングスより株主優待カタログと割引クーポン到着。
— ゆるぐだ (@nshouyoud) March 16, 2023
ビールにしました。#株主優待 #キリンホールディングス pic.twitter.com/Roz360fjcf
キリンホールディングス(2503)はビールや清涼飲料水、食品の製造・販売を行う企業です。
株式を100株以上保有すれば年に2回、ビールや飲料水、食品などの人気商品と交換できる「キリングループ商品引換券」を受け取ることができます。
7つのコースから、自分が好きな商品を選べることが最大の魅力となっています。
日本和装ホールディングス(2499)
記念優待🥳
— ヨーコ⭐株主優待×株歴16年 (@yoko57_work) August 30, 2023
2023月12月権利のみ
100株でクオカ500円
株価は300円程度👀#日本和装ホールディングス[2499]:創業40周年記念特別株主優待の実施に関するお知らせ 2023年8月30日(適時開示) https://t.co/bmuxEclau5 #日経会社情報
日本和装ホールディングス(2499)は、呉服の販売とレンタルを行う企業です。
株式を100株以上保有すれば、500円分の「QUOカード」を受け取ることができます。
さらに、同社は1株あたり14円の配当金を実施。2023年11月現在の株価は342円なので、配当利回りは4.09%にもなります。
株主優待に加え、配当利回りも重視する投資家にとって魅力的な内容となっています。
株主優待をもらうまでの手順
新NISAで株主優待をもらうためには、新NISA専用の証券口座を開設することが第一歩となります。
ここでは証券口座の開設から株主優待を受け取るまでの手順について、順番にご紹介します。
①証券口座を開設する
新NISAで株式投資を始めるためには、専用の証券口座が必要になります。
証券口座とは株や投資信託などの有価証券を取引するための口座であり、株主優待を受け取るための手段のひとつでもあります。
②欲しい株主優待銘柄を見つける
次に、自分が欲しい株主優待株を探します。
企業が株主に提供する株主優待には食品や日用品、サービスなどさまざまな種類があります。
③権利確定日までに必要な株数を購入する
権利確定日とは、株主優待や配当金が支払われる対象となる株主を決定する日のことです。
株主優待を受け取るためには権利確定日までに必要な株数を購入し、株主優待を受けられる条件を満たす必要があります。
それぞれの企業にって権利確定日は異なりますので、あらかじめチェックしておきましょう。
④株主優待が送られるのを待つ
権利確定日までに必要な株数を保有していれば、あとは株主優待が自宅に送られてくるのを待つだけです。
企業によって株主優待の配送時期は異なりますが、権利確定日から数ヶ月後に届く場合が多いようです。
新NISAの証券会社の選び方と申込について
株式投資における株主優待の獲得は、投資家にとって魅力の一つです。新NISAを利用して株主優待株を購入するとき、自分に合った証券会社を選ぶことが重要になります。
ここでは口座開設をするための証券会社の選び方についてご紹介します。
新NISAの証券会社選びのポイント
証券会社を選ぶときには、手数料の安いところを選ぶようにしたいところです。店頭販売の証券会社に比べ、ネットの証券会社は手数料が安い傾向にあります。
また証券会社によって提供する情報やサポート体制が異なっています。初心者の方は、これらのサービスが充実している証券会社がよいでしょう。
株式の売買を行うとき、主にインターネットを利用する方はユーザーインターフェースの使いやすさも重要なポイントになります。
まだ新NISA口座をお持ちでない方は、インターネットで今すぐお申込み!
まだ新NISA口座を開設していない方は、インターネットでの申込みがおすすめです。
インターネットなら自宅から簡単に申し込むことができ、必要書類を準備すれば24時間365日いつでも口座開設が可能となっています。
新NISAの株主優待に関するよくある質問
最後に、新NISAの株主優待についてよくある質問をまとめました。
Q.新NISAで株主優待はもらえるの?
新NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類があります。
株主優待を獲得するためには、上場株式に投資することができる「成長投資枠」を選ぶ必要があります。
「つみたて投資枠」は上場株式に投資することができないため、株主優待をもらうことができません。
Q.新NISA口座で株主優待をもらうと税金はかかる?
新NISAは、投資による利益が非課税となる制度です。株主優待は雑所得に該当しますが、新NISA口座の非課税対象となります。
つまり新NISA口座で株主優待をもらった場合、その金額は非課税で受け取ることができます。ただし、株主優待の種類によっては換金や譲渡を行うと、税金がかかる場合があります。
まとめ
新NISAで株主優待をもらうためには、成長投資枠を利用して個別株に投資をする必要があります。
また株主優待を獲得するためには、権利確定日までに必要な株式数を購入する必要があります。
新NISAで株主優待株を選ぶコツは配当利回りを重視したり、企業のブランド価値に注目したり、自分のライフスタイルに合わせて選ぶなどの方法があります。
この記事では初心者におすすめの株主優待株5選もご紹介していますので、参考になってもらえれば幸いです。