2024年1月から始まる新NISA制度について、多くの個人投資家が注目しています。
新NISA制度で個別株に投資をするためには成長投資枠を選ぶ必要がありますが、非課税期間はどのくらいで、非課税枠の対象はどのようになっているのでしょうか?
今回は、成長投資枠に焦点を当て、その投資対象商品、年間投資枠、非課税保有限度額、そして非課税期間について詳しく解説します。さらに、投資枠の再利用の可否についてや、旧NISA口座からの移行に関することについても解説します。
この記事を読むことで、新NISAの成長投資枠の仕組みを理解し、どのような商品に投資できるのか、年間どれだけ投資できるのかを明確に知ることができます。また、非課税保有限度額や非課税期間に関する知識も得ることができ、投資計画を立てる際に役立ちますので、最後までご覧ください。
新NISAの「成長投資枠」とは

2024年1月からスタートする新NISAは、成長投資枠とつみたて投資枠の2つがあり、個別株への投資は成長投資枠を通じてのみ可能となっています。
そこで、新NISAの成長投資枠とつみたて投資枠の違いについてや、制度の特徴について解説します。
新NISAで個別株に投資できるのは成長投資枠のみ
新NISAでは、個別株への投資は「成長投資枠」を通じてのみとなっています。
成長投資枠では成長が見込まれるテクノロジー企業や、革新的なビジネスモデルを持つスタートアップ企業など、特定の個別株に直接投資することができます。
投資家は自らの投資判断によって個別株に投資をすることで、高いリターンを狙うことができます。
成長投資枠とつみたて投資枠の違い
成長投資枠とつみたて投資枠は、投資の対象となる商品がそれぞれ異なっています。
成長投資枠は個別株式や特定の投資信託などが対象で、より積極的な投資家に適しているといえます。
一方、つみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託のみに限られ、初心者やリスクを抑えたい投資家に適しているといえます。
成長投資枠はリスクを取りつつ高いリターンを目指すのに対し、つみたて投資枠は安定した資産形成を目指すという違いがあります。
成長投資枠の投資対象商品
成長投資枠では上場株式、投資信託、ETF、REITなどが投資対象商品となります。
ただし、整理銘柄や監理銘柄、信託期間が20年未満の投資信託などは、対象外となります。これは、過度なリスクを抑制し、投資家の資産を保護する狙いがあります。
成長投資枠の年間投資枠
成長投資枠の年間投資枠は240万円となっています。
これは、つみたて投資枠120万円と比べて2倍以上になり、より大きな投資を行うことが可能となっています。
この大きな投資枠を活用することで、特定の企業に投資資金を投じることができるのです。
成長投資枠の非課税保有限度額
新NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠を合わせた非課税で保有できる最大限度額は1800万円まで。このうち、成長投資枠のみだと最大1200万円までとなっています。
この制度により、長期的に大きな資金を非課税で運用することができ、多くの投資家にとって大きなメリットとなります。
売却分の非課税枠は翌年に復活
新NISAで保有する資産を売却した場合、その分の非課税枠が翌年以降に復活して再利用することができます。
例えば、2024年に200万円分の個別株を売却した場合、2025年になると200万円分の非課税枠が復活し、再利用することができるようになります。
つみたて投資枠との併用が可能
新NISAでは、成長投資枠とみたて投資枠の併用が可能です。
そのため、ハイリスク・ハイリターンの個別株に投資を行い、つみたて投資枠でリスクの少ない投資信託に投資を行いながら、資産運用を行うことができます。
また成長投資枠とつみたて投資枠を併用することで、年間投資枠は360万円、非課税保有限度額は1800万円まで使用することが可能となります。
新NISAの非課税期間はいつまで?
非課税期間とは、投資で得た利益に対して税金がかからない期間のことを指します。
旧NISAの場合、非課税期間は最長でも20年間でした。しかし、新NISAの非課税期間は無期限となっています。ここが、旧NISA制度とは大きく異なる点です。
例えば、ある投資家が新NISAを利用して、企業の株式を購入します。投資先の企業から配当金を得たり、売却益を得た場合、その利益は非課税となります。そして、この非課税のメリットを無期限で享受することができるため、長期的な資産形成を目指すことができるのです。
長期的な視点での投資は、市場の短期的な変動に一喜一憂する必要がなくなるという利点があります。また、再投資による複利効果を最大限に活用できるのも、魅力の一つです。
個人投資家におすすめの個別株の選び方は?

個人投資家にとって、個別株の選び方は資産運用の成功に直結する重要な要素です。
特に初心者にとっては、どのような株を選ぶべきかを理解することが重要となります。
そこで、個別株投資でおすすめしたい配当株と株主優待株の選び方について解説します。
配当株を選ぶ
配当株とは、企業が利益の一部を株主に配当金として支払う銘柄のことを指します。
配当株がおすすめの理由は、市場が変動しても安定した収入源が得られるためです。配当利回りが高い銘柄を選ぶことで、投資に対して高い配当金を得ることができます。
例えば、長期的に安定した利益を出している大手企業や、業界内で安定した地位を確立している企業の株は、高い配当金を期待できることが多いです。これらの銘柄は、特に長期的な資産形成を目指す個人投資家に適しています。
株主優待株を選ぶ
株主優待株とは、企業が株主に対して商品やサービスなどの特典を提供する銘柄のことを指します。
株主優待株がおすすめの理由は、配当金とは別に、株主になることで得られる追加のメリットを享受することができるためです。
例えば、飲食店や小売業、サービス業など、消費者に親しまれている企業の中には、株主優待として商品券や割引サービスを提供するものが多くあります。これらの優待を利用することで、企業を応援しながら銘柄の長期保有へとつながります。
株主優待株では、よく利用する商品やサービスを提供する企業の株式を選ぶことで、投資の楽しさを実感しながら資産形成を行うことができます。
個別株のポートフォリオの管理方法

個別株のポートフォリオ管理は、株式投資における成功の鍵です。
ポートフォリオとは、投資家が保有するさまざまな資産(株式、債券など)の組み合わせを指します。
適切なポートフォリオ管理により、リスクを分散してリターンを最大化することができます。ここでは、その方法について詳しく解説します。
分散投資を行う
分散投資は、ポートフォリオ管理の基本になります。この方法では、異なる種類の株式や異なる産業、地域に投資をすることで、リスクを分散させることができます。
特定の企業や産業に集中投資すると、大きな損失を被るリスクが高くなります。分散投資を行うことで、一部の損失を他の投資で補うことができ、全体のリスクを抑えることができるようになります。
例えば、テクノロジー、金融、消費財など、異なる産業の株式を組み合わせること、また国内株だけでなく、海外株にも投資することで、分散投資を実現することができます。
分散投資は、個別株のポートフォリオを管理する上で重要な戦略です。これにより、リスクを適切に分散させ、投資の安定性を高めることができます。
定期的なリバランスを行う
リバランスとは、ポートフォリオ内の資産配分を、元の目標通りに調整することです。
市場の変動によって、ポートフォリオ内の資産の割合が大きく変化することがあります。リバランスを行うことで、リスク許容度や投資目標に沿った資産配分を維持することができます。
例えば、年に一度、ポートフォリオを見直し、過大評価されている資産を減らし、過小評価されている資産を増やすことで、リバランスを行います。これにより、元の投資計画に基づいたポートフォリオのバランスを維持することができます。
新NISAで個別株を購入する手順は?
新NISA制度では、「成長投資枠」を利用して個別株の購入が可能になります。
ここでは、その具体的な手順と考慮すべきポイントを解説します。
新NISA口座の開設
まず、新NISA制度を利用するためには、証券会社で新NISA口座を開設する必要があります。
例えば、大手証券会社やオンライン証券会社などで新NISA口座を開設することができます。
口座開設の際は、身分証明書やマイナンバーカードなどが必要です。証券会社によっては、オンラインで簡単に口座開設を行うことができます。
成長投資枠の利用
新NISAで個別株を購入するためには、成長投資枠を利用する必要があります。成長投資枠は年間240万円までの投資枠が与えられ、上場株式などに投資することができます。
投資家自身の判断で、例えばテクノロジー分野や医療分野など、その業界内の有望な株式を選んで購入することができます。
新NISAの口座開設ができる証券会社はどこ?

新NISA制度を利用するためには、まず新NISA口座の開設が必要です。
この口座は、多くの証券会社で開設することができますが、証券会社ごとにサービス内容や取り扱う投資商品の種類が異なります。
そこで、新NISA口座を開設できる主な証券会社の特徴と選び方を解説します。
オンライン証券会社
オンライン証券会社は、安い取引手数料と便利な取引プラットフォームを提供します。特に積極的に取引を行う投資家にとって、手数料の安さは考慮すべき点です。
また、インターネットを通じていつでも簡単に取引ができる点も大きなメリットです。
例えば、SBI証券や楽天証券は、新NISA口座の開設ができるオンライン証券会社です。これらの証券会社は、手数料の安さや使いやすいオンライン取引システムが特徴で、多くの人に利用されています。
オンライン証券会社は、安さと便利な取引環境を提供するため、新NISA口座開設の選択肢としておすすめです。
大手証券会社
大手証券会社の特徴は、安心感と多様な商品ラインナップにあります。大手ならではの資金力と信頼性、充実した顧客サポートが特徴的です。
また、多種多様な投資商品を取り扱っているため、投資初心者から経験者まで幅広く利用することができます。
例えば、三菱UFJモルガン・スタンレー証券や野村証券などでは、初心者向けの投資セミナーや詳細な資料提供など、充実したサポート体制を整えています。
新NISAの口座開設方法や手続き方法について
新NISA口座を開設するためには、まず証券会社を選び、そこで口座開設の申し込みを行います。オンライン証券会社を利用する場合、インターネットを通じて手続きを完了することができます。
例えば、SBI証券や楽天証券などのオンライン証券会社では、ウェブサイトから新NISA口座の申し込みが可能です。申し込みには身分証明書やマイナンバーカードなどが必要になることが多いです。
オンラインでの申し込みは、通常、数日以内に完了します。
旧NISAを運用中なら、自動的に新NISA口座が開設される

旧NISA口座を持っている場合、多くの証券会社では新NISA口座が自動で開設されます。そのため、投資家の方では特に手続きの必要はありません。
しかし、新NISAの口座が開設されても、旧NISAで運用中の資産は自動で移行されるわけではありません。
旧NISAで運用中の資産を新NISAへ移行するためには、まず旧NISAの資産を一度売却し、その後新NISA口座で買い直しをする必要があります。
旧NISAでも、利益に対して税金はかかりません。しかし、非課税期間が終了すると課税口座に移行され、税制の恩恵を受けることができなくなります。
新NISAで個別株を非課税で始めるための初心者向けQ&A

最後に、新NISAで個別株を非課税で始めるためによくある質問をまとめました。
Q.新NISAとは何ですか?
新NISA(ニーサ)とは、2024年から始まる新しい少額投資非課税制度です。
旧NISAと同様に、特定の金融商品への投資に対して税金が免除されます。
旧NISAの場合、非課税期間は最長20年となっていますが、新NISAでは非課税期間は無期限になっています。
Q.新NISAで個別株を非課税で購入するにはどうすればいいですか?
まず、新NISA口座を開設することが必要です。銀行や証券会社などで新NISAの口座開設ができます。
その後、新NISA口座を通じて個別株を購入することで、その個別株にかかる利益(配当金や売却益)に対して非課税の恩恵を受けることができます。
ただし、投資額には年間の上限があり、この範囲内での投資が非課税となります。
Q.新NISAで個別株投資をする際の注意点は何ですか?
新NISAでの投資は非課税ですが、リスクも伴います。特に個別株は市場の変動に左右されやすいので、投資をする際は企業の業績や市場の状況をよく調べることが重要です。
初心者の方はまずは少額から始めて、徐々に投資の知識を深めることをお勧めします。
新NISAの非課税期間や成長投資枠で個別株投資方法についてのまとめ
新NISAで個別株に投資をするためには、成長投資枠を選択する必要があります。
成長投資枠の年間投資枠は240万円、非課税保有限度額は1200万円となっています。
新NISAの非課税期間は無期限となっており、投資で得た利益に対して税金はかかりません。
旧NISAを運用している場合、自動的に新NISA口座が開設されます。