2024年1月からスタートする、新NISAに注目が集まっています。
新NISAの「成長投資枠」では個別株に投資することができますが、個別株の選び方や条件はどのようにすればよいのでしょうか?また、「成長投資枠」の仕組みについてや、メリットとデメリットは?
今回は、新NISAの「成長投資枠」で投資ができる個別株の条件や選び方と、購入のタイミングや注意点について解説。さらに、「成長投資枠」の仕組みや、メリットとデメリットについても解説します。
この記事を読めば、新NISAの「成長投資枠」の投資対象商品についてや、個別株の選定方法について理解することができます。さらに、個別株の購入タイミングについてや、投資するときの注意点についても触れていますので、最後までご覧下さい。
新NISAの概要について

新NISAは、2024年から始まる新しい少額投資非課税制度です。この制度は旧NISAと比べて、より柔軟で長期的な投資を促進することを目的としています。
新NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の二つの投資枠が設けられており、投資家は自身の投資目的に応じてどちらか一方、もしくは併用することができます。
また、新NISは年間投資枠を増やし(成長投資枠は最大240万円、つみたて投資枠は最大120万円)、非課税保有限度額も1800万円と旧NISAよりも高く設定されています。
例えば、ある投資家が個別株に投資をする場合、成長投資枠を利用して年間で最大240万円まで投資することができます。
また、つみたて投資枠を選択することで、小額から投資をスタートすることもできます。
新NISAの導入により、投資家は自分の投資スタイルに合わせて、より多くの選択肢を持てるようになります。
旧NISAと新NISAの制度の違いについて
旧NISAと新NISAの最も大きな違いは、年間投資枠と非課税期間になります。
この2つの制度が大きく改善されたことで、個人投資家の投資戦略に大きな影響を与えるようになりました。
そこで、年間投資枠と非課税期間の違いについて、詳しく解説します。
年間投資枠の違い
旧NISAでは、一般NISAの年間投資枠は120万円、つみたてNISAは40万円までとなっています。しかし、新NISAでは成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円に拡大されました。
また、非課税保有限度額も新NISAでは、最大1800万円に増加しました。
例えば、ある投資家が旧NISAの一般NISAを利用している場合、年間120万円までしか投資することができません。しかし、新NISAでは成長投資枠を利用することで、年間240万円まで投資することができます。
投資枠の拡大は積極的な投資家にとって、大きな利点となります。
非課税期間の違い
旧NISAと新NISAのもう一つの大きな違いは、非課税期間の変更です。
旧NISAでは非課税期間が一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間と定められていますが、新NISAでは非課税期間が無期限となりました。
投資家が個別株などで長期保有を計画している場合、旧NISAでは保有期間の制限により、非課税の恩恵を受けられる期間が限定されていました。しかし、新NISAでは無期限で非課税の恩恵を受けることができるため、長期保有が可能となりました。
非課税期間の無期限化は、時間をかけて資産形成を行いたい投資家にとって大きなメリットとなります。
新NISA「成長投資枠」の仕組みについて
新NISAの「成長投資枠」では幅広い商品に投資することができ、その中には上場株式などのような個別株に投資することもできます。
例えば、新興市場の株式やテクノロジー関連の株式など、成長が期待される分野への投資ができるため、ハイリターンを狙うことができます。
その一方、業績が安定した大企業の株式に投資することも可能となっています。
「成長投資枠」は、より積極的な投資を望む個人投資家にとって魅力的な選択肢となります。
新NISA「成長投資枠」の投資対象商品

新NISAの「成長投資枠」では、上場株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などが投資対象として指定されています。
上場株式は個別企業への直接投資を可能にし、投資信託やETFは分散投資を可能にします。また、REITは不動産市場への投資を可能にしています。
例えば、上場株式のテクノロジー株に投資を行い、日経平均株価指数に連動する投資信託に投資を行う。このように、性質の異なる商品に投資を行うことで、市場の異なったセクターに分散投資をすることができるようになります。
新NISA「成長投資枠」のメリット:長期投資に適した税制優遇

新NISA「成長投資枠」のメリットは、税制優遇にあります。
この制度は売却益や配当金に対する税金の負担を減らし、複利効果を活用した資産形成が可能になります。
そこで、新NISA「成長投資枠」のメリットと、最大限に活用するための投資戦略について、詳しく解説します。
最大のメリットは税制優遇制度
新NISAの「成長投資枠」の税制優遇は、長期投資を促し、資産形成の機会を提供します。
投資家が株式に投資をして株価が上昇した場合、通常は利益に対して税金がかかります。しかし、成長投資枠を利用している場合、その利益は非課税となり、その分を再投資に回すことができます。
成長投資枠の税制優遇は、長期投資を行う個人投資家にとって大きなメリットとなります。
税制優遇を活用した長期投資戦略
税制優遇を最大限に活用するためには、長期的な視点での投資戦略が重要になります。
長期投資は、市場の短期的な変動に惑わされず、企業や業界の本質的な成長を捉えることができます。これにより、長期的な資産形成が可能となります。
例えば、AI技術や電気自動車産業など、将来的に成長が期待される業界に注目し、そこで活躍する企業に投資することが一つの戦略です。これらの分野は、長期的な視点で見ると、安定した成長が見込まれます。
税制優遇を背景に、長期的な視点での投資戦略を立てることが、成長投資枠の活用において重要となります。
新NISA「成長投資枠」のデメリット:元本割れのリスク

新NISA「成長投資枠」を利用する際の主なデメリットは、市場の変動による元本割れのリスクです。
そこで、「成長投資枠」を利用した個別株投資で元本割れが発生する原因と、リスクの管理方法について詳しく解説します。
最大のデメリットは元本割れの発生
新NISAの「成長投資枠」では、ハイリターンの個別株に投資をすることができますが、市場の変動により価値が大きく上下する可能性があります。特に短期的な市場の下落は、元本割れのリスクとなります。
例えば、あるテクノロジー企業の個別株に投資をした場合、業績の悪化や市場の不安定さにより、株価が急落し、投資額が元本を下回ることがあります。
「成長投資枠」では高いリターンを目指せる一方で、元本割れのリスクも考慮する必要があることを覚えておきましょう。
元本割れリスクの管理方法
元本割れのリスクは、分散投資による戦略が有効です。
分散投資により、一部の損失が発生しても、他の資産の含み益によってバランスを取ることができます。
複数の産業や地域にまたがる投資を行い、一つの市場や銘柄に依存しないポートフォリオを構築することが一つの方法です。また、市場の動向を常に監視し、必要に応じてポートフォリオを調整することも重要になります。
新NISA「成長投資枠」で買える個別株の選び方
新NISAの「成長投資枠」で個別株を選定する際は、企業の成長性を見極めることがカギです。
同時に、一つの個別株に集中投資せず、分散投資を心がけることが大切になります。
そこで、新NISAの「成長投資枠」で個別株を選ぶときのポイントや、分散投資の必要性について詳しく解説します。
成長性を判断する基準
新NISAの「成長投資枠」で個別株を選ぶ際には、企業の成長性を評価することが重要です。
成長性が高い企業は、会社の成長に伴って、株価が上昇。その結果、高いリターンをもたらす可能性があります。
業績の安定性、市場での競争力、業界内での地位などは、成長性を判断する際の重要な指標となります。
例えば、テクノロジー業界において革新的な製品を持つ企業や、継続的に増収増益を達成している企業は、成長性が高いと評価することができます。このような企業は、将来的に株価が上昇する可能性があります。
「成長投資枠」での個別株を選定する際には、企業の成長性を見極める視点が重要です。
リスク管理と分散投資
「成長投資枠」で個別株に投資をする際には、分散投資によるリスク管理が重要です。
一部の個別株に集中投資をすると、業界の変化や業績悪化により、大きなリスクにさらされることがあります。分散投資を行うことで、これらのリスクを分散し、全体のポートフォリオの安定性を高めることができます。
例えば、テクノロジー株だけでなく、ヘルスケアや環境技術など、異なる業界の個別株に投資をすることで、リスクを分散することができます。
分散投資を行うことで、例え一部の個別株にリスクが生じても、他の資産でバランスを取ることが可能となります。
新NISA「成長投資枠」で個別株を売買する方法

新NISAの「成長投資枠」を利用して個別株を購入する際は、市場分析と企業分析が基本となります。
また、個別株の売買タイミングは、市場の動向と企業業績の両方を考慮して判断することが重要になります。
そこで、新NISA「成長投資枠」で個別株を売買する方法について、詳しく解説します。
「成長投資枠」での個別株購入の基本
「成長投資枠」で個別株を購入する際は、市場分析と企業分析が必要です。
業績の安定性、市場での競争力、業界内での地位などを詳細に分析することで、将来的に高いリターンをもたらす個別株を見つけ出すことができます。
例えば、新興のテクノロジー企業や、継続的に市場シェアを拡大している企業などは、成長性が高いと判断できるかもしれません。こうした企業の決算書や業界分析を行い、投資の判断を行います。
市場と企業の両方の視点から分析を行うことが、「成長投資枠」での賢明な個別株を購入するカギとなります。
「成長投資枠」での売買タイミングの判断
個別株の売買タイミングは、市場の動向と企業業績の両方を考慮して判断することが重要になります。
株価は、市場全体の動向や特定の業界のニュース、企業の業績発表などによって影響を受けます。これらの要因を考慮することで、売買のタイミングを見極めることができます。
企業が業績の上方修正を発表したときや、業界に有利な政策が発表されたときには、株価が上昇する傾向にあります。逆に、業界に不利なニュースや企業の業績悪化が報じられた場合は、株価が下落する傾向にあります。
個別株の売買においては、市場と企業の動向を常に注視し、適切なタイミングで行動することが肝心です。
新NISA「成長投資枠」の注意点やリスク
新NISAの「成長投資枠」で個別株に投資をする際、株価は大きく動くため、市場動向や企業の業績を常に注視する必要があります。
また、市場に対して一喜一憂せず、長期投資を心がける必要があります。
そこで、新NISAの「成長投資枠」で個別株に投資をする際の注意点やリスクについて詳しく解説します。
短期的に株価は大きく変動
新NISAの「成長投資枠」で個別株に投資をする際には、リスク管理に留意する必要があります。
特に高成長が見込まれる個別株に投資を行う場合、経済情勢や企業業績による影響を受けやすくなるため、株価が短期間で大きく変動することがあります。
例えば、技術革新により急速に成長しているテクノロジー関連企業の個別株は、新しい製品の発表や競合他社の動向によって、株価が大きく上下することがあります。
投資家は市場の動向や企業の業績を常に注視し、リスク管理を徹底することが大切です。
長期的視点の必要性
新NISAの「成長投資枠」を利用する際は、長期的な視点での投資戦略が必要です。
特に、高成長が見込まれる企業や業界は、短期的には株価が大きく変動しますが、長期的に見ると安定した成長が期待できます。
長期的な視点を持ち、市場に対して一喜一憂しないことが成功へのカギとなります。
新NISA「成長投資枠」で買えるおすすめの個別株5選

ここでは、新NISAの「成長投資枠」で買えるおすすめの個別株5選についてご紹介します。
今回おすすめする個別株は、成長産業で注目されている銘柄になりますので、個別株投資で迷っている方は参考にして下さい。
パーソルホールディングス(2181)
パーソルホールディングスは、人材業界の成長と技術革新により、今後も成長が期待される銘柄です。
労働市場の多様化と技術の進化に伴い、パーソルホールディングスの提供するサービスの需要は増加。
リモートワークの普及などにより、非対面型の人材サービスやデジタル化が進む中、パーソルホールディングスは市場ニーズに合わせたサービス展開を行っています。
労働市場の変化に対応したサービスを展開し、長期的な成長が期待される銘柄です。
じげん(3679)
じげんは、デジタルマーケティングの需要増加により、今後も成長が見込まれる銘柄です。
インターネットの普及とデジタル化の進展により、オンラインでのマーケティング需要が拡大。
じげんは、独自のデータ分析技術と広告技術を駆使し、企業のデジタルマーケティングを支援しています。
デジタル化のトレンドを捉えた事業展開により、長期的な成長が見込まれる銘柄です。
ラクス(3923)
ラクスは、クラウドサービスの需要増加により、継続的な成長が期待できる銘柄です。
企業の業務効率化とデジタル化の進展に伴い、ラクスの提供するクラウドサービスの需要が増加。
ラクスは、業務効率化ツールやセキュリティサービスを提供し、多くの企業から高い評価を受けています。
デジタル化を支えるサービスを提供し、将来性の高い銘柄です。
メルカリ(4385)
メルカリは、Eコマース市場の成長とともに、さらなる拡大が見込まれる銘柄です。
オンラインでの買い物が一般化する中、メルカリを利用するユーザーは増加しています。
メルカリは、ユーザーフレンドリーなアプリインターフェースと安全な取引システムを提供し、多くの消費者に支持されています。
Eコマースの拡大に合わせたサービスを提供し、今後の成長が見込まれる銘柄です。
ソフトバンクグループ(9984)
ソフトバンクグループは、テクノロジー分野への積極的な投資で、将来の成長が期待される銘柄です。
技術革新への先見の明と資金力を持ち、多様な分野で投資を行っています。
AIやロボティクスなどの先端技術分野への投資を行い、将来的な技術革新の波に乗る戦略を展開しています。
技術革新分野への投資により、長期的な成長が期待できる銘柄です。
新NISAの口座開設方法
新NISA口座は、オンラインまたは直接店舗訪問を通じて開設することができます。
オンラインでの口座開設の場合、金融機関のウェブサイトから必要情報を入力し、本人確認書類をアップロードする必要があります。窓口で直接手続きを行う場合は、身分証明書と印鑑が必要となります。
新NISA口座は、オンラインまたは金融機関の窓口を利用することで、開設することができます。
個別株の選び方についてよくある質問

最後に、新NISAの「成長投資枠」の個別株の選び方についてよくある質問をまとめました。
Q.新NISAの「成長投資枠」とは何ですか?
新NISAの「成長投資枠」とは、個人投資家を支援するために設けた新しい税制優遇措置です。
この枠内で購入した個別株や投資信託などは、売却益や配当金に対して税金が非課税になります。これにより、個人投資家が長期的な視点で資産形成を行いやすくなることが期待されています。
Q.個別株を選ぶ際のポイントは何ですか?
個別株を選ぶ際のポイントは、企業の業績をチェックし、安定した収益を上げているかどうかを確認することです。
次に、業界の成長性や将来性をチェックし、その企業が業界内でどのような位置づけにあるかを把握することも大切です。
Q.新NISAの成長投資枠を利用するメリットは何ですか?
新NISAの成長投資枠を利用するメリットは、税制面の優遇です。
売却益や配当金が非課税になるため、これまでと比べて投資のリターンが大きくなります。
この制度を利用しながら長期投資を行うことで、資産形成を計画的に行うことができます。
新NISAの「成長投資枠」で個別株の選び方と購入タイミングについてのまとめ
新NISAの「成長投資枠」の投資対象商品には、上場株式、投資信託、ETF、REITなどが対象となっています。そのため、個別株に投資をするためには、「成長投資枠」を選ぶ必要があります。
新NISAの「成長投資枠」で個別株を選ぶときは、企業の成長性を見極めることが重要です。また、分散投資を心がけましょう。
個別株の売買タイミングは、市場の動向と企業業績の両方を考慮して判断することが重要になります。
個別株に投資をする際、株価は大きく動くため、市場に対して一喜一憂せず、長期投資を心がける必要があります。